多民族研究学会

Multi-Ethnic Studies Association (MESA)


(*本ホームページはモバイル機器画面に対応しています)

News

2024年11月:第42全国大会(12月21日土曜日)のプログラムとニューズレターが公開されました。*Zoom配信もあります。

2024年7月第41回全国大会(7月27日土曜日、28日日曜日)が対面形式とオンラインで専修大学(神田キャンパス)で開催されました。

2024年6:第41全国大会(7月27日土曜日、28日日曜日)のプログラムとニューズレターが公開されました。*Zoom配信もあります。28日は専修大学現代文化研究会との共催で、今回は2日間の開催です。

2024年5月:機関誌『多民族研究』第17号(2024年)が刊行されました。

2023年12月:第41回全国大会の予定が決まりました。2024年7月27日土曜日、28日日曜日、対面形式で専修大学(神田キャンパス)で開催されます。

・2023年12:第40回全国大会(12月16日土曜日)が対面形式とオンラインで専修大学(神田キャンパス)で開催されました。

2023年11:第40全国大会1216日土曜日)のプログラムとニューズレターが公開されました。*Zoom配信もあります。

・2023年9月:機関誌『多民族研究』の原稿送り先のメールアドレスが変更されました。

2023年8月学会役員を改選しました。

2023年7月:第40回全国大会の予定が決まりました。2023年12月16日土曜日、対面形式で専修大学(神田キャンパス)で開催されます多民族研究学会(MESA)発足20周年を記念する大会となります。

2023年7月:第39回全国大会(7月29日土曜日)が対面形式とオンラインで日本女子大学で開催されました。

2023年6月第39回全国大会(7月29日土曜日)のプログラムとニューズレターが公開されました。*Zoom配信もあります。

2023年5月機関誌『多民族研究』第16号(2023年)が刊行されました。


最近の活動/お知らせ

『多民族研究』の創刊号から最新号までの目次を全巻分掲載しました。ご利用下さい。

・今後の全国大会で取り上げて欲しいテーマや企画がございましたら、どうぞ事務局までご相談ください。

過去のお知らせこちらです。

会長挨拶 / Welcome

「他民族」と「多民族」のあいだ

長岡 真吾 / Nagaoka, Shingo


  多民族研究学会は、ときどき「他民族研究学会」と記されることがあります。同音異義の誤変換によるものか誤解や思い込みによるものかは不明ですが、この誤表記を目にするたびに「他民族」と「多民族」との違いについてあらためて考えることがあります。

 もっとも大きな違いと言えば、おそらく「他民族」は無意識にせよ民族集団を「こちら(自民族)」側に属するグループと「あちら(他民族)」側のグループに分けてしまうということかもしれません。「自分たちの」側と、文字通り「自分たちではない他の」側という差異化を前提にしていると言えます。実際に、民族ごとに差異があるのは事実です。

 「多民族」はどのような意味になるでしょうか。簡単に言えば、数多くのさまざまな民族集団があることを指す言葉であると言えます。ただ、それだけではなく多様化や多様性というイメージもその言葉は含んでいると思います。多民族研究学会は、実際に多くの異なる民族のそれぞれの独自性や個別性についての研究や体験を発表し合う場になってきました。この学会は、言語をはじめ人種・文化・社会・歴史などの背景が異なるひとびとの声が響き合う場です。いわば「聞きなれない声」の重なりの中に居合わせながら、それでもじっと耳を澄まして異なる声に耳を傾けようとする場でもあります。すると、しばしば予期せずに起こることなのですが、まったく異質な声が実は同じ言葉や物語を発していることに突然気づかされて、驚く場にもなっています。

 こうした場では、民族集団を一様で単一のものとして捉える考え方や民族的ステレオタイプについて再考することを迫られます。言うまでもなく民族集団は個人の集まりでもあります。多くの研究が集団のなかの具体的な個人に目を向けてきました。集団から外れたり、あるいは集団をまとめたり、あるいは集団を批判/攻撃/再編したり、集団の過去や記憶を語ったりする個人が、それぞれの時代と土地に数多くいることが報告されています。民族集団とはそうしたひとりひとりの個人がいろいろな形で連動することによって浮かび上がる流動するモザイク画のようなものであると言えます。そのような観点から見えてくる世界の現実を、この学会は言葉や記号による表現活動や歴史や記録などを手掛かりに理解しようとしてきました。

 その意味では、この学会は世界から「他民族」がなくなることを目指してはいません。差異があること、差異化が常に行われていくことを見つめ、「多様」であることとはなにかを常に問いながら、複数の「境界線」の「こちら」と「あちら」から見た世界がどのように異なるかを記述し、報告しあい、共に考えていくことを目指しています。それは単一の集団のなかだけでは思いもよらなかった、あるいは、自分ひとりだけでは思いもよらなかったまったく新しい想像力を一緒に生み出そうとしていく試みでもあります。「多様性」とは、その意味でスタティックな状態を指す言葉などではなく、常に新しい想像力を求めようとする呼びかけです。多様性とは想像力であり、均質性と一貫性に、「中心と周縁」に依存しない、自己矛盾し、自己の境界を超えようとする想像力なのです。その実現は、きっと「わたし」と「あなた」が異なることを想像してみるところから始まるのです。

(2024年8月一部改変)

活動概要 / What We Do


全国大会・講演会等の開催 / Conferences

・毎年2回、7月と12月に全国大会を開催しています。

・歴史学、文学、社会学、文化人類学、表象文化など幅広い領域の研究者や大学院生が、民族の移動と文化混淆、主流社会への同化と抵抗、民族アイデンティティの継承と変容など様々なテーマでシンポジウム、講演、研究発表を行なっています。

・国内外の研究者や作家、翻訳者らを招いた講演やシンポジウム、エコクリティシズム研究学会(SES-Japan)との合同大会の開催、民族文化のアーティストによるパフォーマンスなど、多様な研究交流も行なっています。

・大学院生ら若手研究者の育成に特化したワークショップを開催しています。


機関誌・ニュースレターの発行 / Journal & Newsletter

機関誌『多民族研究』(2007年創刊)を年1回発行し、年次大会での研究発表やシンポジウム、講演に基づく論考を掲載するほか、広く民族をキーワードとする投稿研究論文や書評を収めています。MESA Newsletterは年次大会のプログラムとともに年2回発行され、発表要旨など大会の内容や学会組織にかんする情報を掲載しています。


出版活動 / Other Publications

2014年に学会創立10周年を記念して、多民族研究学会編『エスニック研究のフロンティア』(金星堂)を上梓しました。また、会員の著作や学術論文、翻訳、各種執筆記事など多数発表されています。